技能者登録の簡略型と詳細型の違い

建設キャリアアップシステム(CCUS)に技能者登録する場合、現在は簡略型と詳細型から登録方法を選択することができます。この運用になったのは令和3年4月からで、それ以前は現在の詳細型の申請方法しかありませんでした。

CCUSを普及させるために簡単に登録できる簡略型での登録を追加しました。実際に導入後登録件数は増えており、申請からカード発行までにかかる期間も以前に比べ短くなっています。(令和4年7月時点では3週間~1か月程度)

簡略型の特徴

メリット

  • 費用が安い(簡略型の申請は技能者一人につき2,500円)
  • 詳細型に比べ申請に添付する資料が少ないため、若干申請が楽。

デメリット

  • インターネット申請にしか対応していない。(認定登録機関に持参して申請することができない。)
  • 技能者の保有資格、学歴、表彰、健康診断の履歴を登録することができない。
  • 保有資格を登録できないためレベル判定システムに対応していない。そのため、どんなに経験を積んだ技能者でもレベル1のカードになる。

詳細型の特徴

メリット

  • インターネット申請、認定登録機関に持参のどちらでも申請することができる。
  • 技能者の保有資格、学歴、表彰、健康診断の履歴などの情報を登録することができる。
  • レベル判定システムに対応しており、技能者の経験、保有資格によってレベル1~レベル4のカードを得ることができる。

デメリット

  • 費用が若干高い(詳細型の申請は技能者一人につき4,900円)
  • 簡略型に比べ申請に添付する資料が増え、若干手間がかかる。

登録方法の変更

  • 簡略型から詳細型への変更は可能(料金が2,400円)
  • 詳細型から簡略型への変更は不可

お勧めの登録方法

簡略型と詳細型のそれぞれの特徴をあげましたが、お勧めの登録方法はズバリ詳細型です。CCUSのそもそもの目的はCCUSに蓄積される技能者の情報を活用して技能者が経験や能力に応じた処遇を受けられるようにするということです。簡略型の登録ではそもそも資格の登録ができないためレベル判定システムに申請することもできません。

そのため、経験を積んで、登録基幹技能士や一級の施工管理技士の資格を持っている方でもずっと見習い技能者(レベル1)のままになってしまいます。つまり、簡略型の登録では「キャリアアップ」することができません。

「とにかく現場に入るためにカードが欲しい。キャリアアップとかどーでもいい」という方や、高齢の方で「2~3年後には退職する予定なので今更キャリアアップしても…」という方は簡略型でもいいかもしれません。

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