事業者のメリット
大きい現場にも入れる
キャリアアップシステムの申請のご相談をいただく時、一番多いお悩みが「元請に技能者カードがないと現場に入れなくなるといわれたので、一日も早くカードが欲しい」というものです。
建設キャリアアップシステムの運用開始から約3年が経ち、大きい現場では登録がないと入れないといったケースが増えてきました。キャリアアップシステムの登録は現在のところ任意ですが将来的には義務化される可能性が高く、登録必須の現場は今後も増えていくと予想されます。
外国人技能実習生を受け入れることができる
技能実習生を雇用して、人手不足を解消したいとお考えの経営者様から多くご相談をいただいております。
外国人技能実習生の失踪などが社会問題化してきているため、キャリアアップシステムに登録することにより適切な労働管理を行う必要あるとされています。このため外国人技能実習生を受け入れる場合はまず会社が事業者登録を行い、受け入れる技能実習生は全員技能者登録する必要があります。
経営事項審査申請で加点の対象になる
建設キャリアアップシステムでは技能者の能力評価制度を導入しており、技能者は4段階にレベル分けされます。経営事項審査申請の際にレベルが上がった技能者がいた場合経審で加点の対象になります。このことから、公共事業の入札に参加したい事業者にはメリットになります。レベルを上げるためには就業日数の蓄積と資格の取得が必要です。早めに登録して計画的にレベルアップを図りましょう。
事務にかかる負担の軽減
建設キャリアアップシステムに登録することにより現場の勤怠管理や作業員名簿の作成等がスムーズに行えるようになります。また、令和4年度から建退協制度と連携していくことが決まっており、今まで手帳や証紙の管理が煩雑だった建退協制度の運用もスムーズに行えるようになります。
技能者のメリット
正当な評価
建設キャリアアップシステムに登録することにより就業日数、保有資格、経験などが一括して確認できるようになります。このため、経験ある技能者の方は正当な評価を得られるようになり、転職の際も有利に働きます。
適切な退職金をもらえる
建設キャリアアップシステムに登録することにより就業日数の管理が容易になります。また、建退協制度と連携することにより証紙の貼り忘れ等がなくなり、就業期間に応じた適切な退職金が受け取れるようになります。
スキルを磨きやすい環境
前述のように技能者のレベルが上がると事業者は経審の際加点の対象になります。技能者のレベルを上げるためには就業日数の蓄積と資格の取得が必要です。そのため、事業者が技能者に資格の取得を促すケースが増えてくるでしょう。また、技能者にとって明確な目標が設定されることによりスキルを磨きやすい環境になります。
このように建設キャリアアップシステムに登録することには事業者、技能者共に様々なメリットがあります。国が推奨していることもあり、メリットは今後も増えていくことが予想されます。また、義務化されてからでは申請が増えることにより現在よりカードの取得に時間がかかるようになることが予想されます。いずれ登録するなら早く登録した方がお得です。お早めの登録をご検討ください。