能力評価制度(レベル判定システム)とは

建設キャリアアップシステム(CCUS)は能力評価制度(レベル判定システム)を導入しており、技能者を4段階にレベル分けしています。

これにより、能力に応じた適切な処遇を実現することを目的にしています。

実際にCCUSに登録している技能者は全建設作業員の平均より4%所得が多く、レベル4の技能者は11%所得が多いというデータもあります。

CCUSの技能者カードはレベルごとに色分けされています。

 

レベルを上げる方法

各能力評価団体に申請をすることによってレベルを上げます。CCUSはカードの発行は行いますが、能力の評価は行いません。

例えば、とび技能者の方が申請する場合は(一社)日本建設躯体工事業団体連合会又は(一社)日本鳶工業連合会のどちらかに行います。審査基準は統一されており、どちらの団体に申請しても変わりません。令和4年現在では37の分野で能力評価制度がスタートしており、今後も拡大していく予定になっています。

 

審査基準

以下の3点で審査されます。

  1. 就業日数
  2. 保有資格
  3. 職長、班長経験

具体的に必要な就業日数、保有資格は申請する分野によって異なります。

以下、とび技能士の場合を例としてご説明します。

レベル2(青カード)に上がる条件

  • 3年以上(645日)の就業日数が必要です
  • 保有資格は玉掛技能講習と職長安全衛生教育が必須となっており、それ以外に技能講習を該当するものから一つ以上受講することが義務付けられています。

 

レベル3(シルバーカード)に上がる条件

  • 8年以上(1720日)の就業日数が必要です。
  • 保有資格は1級とび技能士、1級か2級の建築施工管理技士又は1級か2級の土木施工管理技士が必要です。
  • 職長または班長としての就業日数が2年(430日)必要です。

 

レベル4(ゴールドカード)に上がる条件

  • 12年以上(2580日)の就業日数が必要です。
  • 保有資格は登録鳶・土工基幹技能者又は国土交通大臣、厚生労働大臣から顕彰を受けたものである必要があります。
  • 職長としての就業日数が7年(1505日)必要です。

 

レベル1の技能者が直接レベル3、4の申請をすることもできますが、その際はレベル2、3で必要な保有資格も持っている必要があります。

また、2020年9月までは登録基幹技能者の資格を保有していれば初めからゴールドカードを取得することができましたが、現在ではできません。

 

就業日数のカウント方法

建設キャリアアップシステム登録後

建設キャリアアップシステムに蓄積される就業日数215日分を1年としてカウントします。

 

建設キャリアアップシステム登録前

建設技能者として就業した日から離職する日までを月換算でカウントします。具体的には、登録した保有資格の中で1番古いものの取得年月日が起算点となります。

今後は建設キャリアアップシステム登録前の就業日数は認められなくなることが予定されているため、早めに登録してレベル判定した方がお得です。

職長としての経験は職長安全衛生教育を受講した日を起算点としてカウントされます。

 

技能者のレベルを上げることは技能者と事業者双方にメリットがありますが、レベルを上げるためには計画的な資格の取得が必要です。 必要な資格は各能力評価団体が公表しています。確認して資格の取得をご検討ください。

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